2007年　鮭釣り寄稿

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　2007年9月22日　Yosy 　　　　　　　　　　　　

君の仲間に、初めて出会ったのは　たしか1995年阪神淡路大震災の年の秋、
富山県魚津市の町外れを流れる片貝川の河口でした。
河口沖合、波の谷間になにか見え隠れする黒い物体を多数眼にしたものでした。
地元の人に聞けば、今から川を登ろうとする君の仲間の「鮭」であることを知りました。
君たちは、この川で生まれ、3年の月日を広い大洋で過ごし、逞しく成長して生まれ故郷に戻ったところだったのですね。
聞けば、塩水に育った君たちは1～2週間真水に身体を慣らし、身体を清めて川を登るとのこと、ご苦労様でした。
その間君たちは、自分に蓄えた養分だけで過ごし、やがて真水に慣れた君たちは、紅色の鎧を身につけ、
われわれが通称『ゾンビ』といういでたちに変身し川を登るのですね。
それ以来、私は君たちの事に興味を覚え、機会があれば、また君たちに会えることを願っていました。

まず、最初は2004年秋　北海道は釧路に、そして2006年と2007年には知床まで（釣り道具）を抱え会いに行ったのです。
釧路では、残念ながら君たちに会える機会が少なく2006年からは知床へと訪問先を変えたのです。
知床では、期待通り大勢の君たちの仲間に遭遇し興奮したものです。
2007年の今年は、私を含め5人の仲間と一緒に、戯れてきました。
と言っても釣りの下手な私は,（釣り道具）にもてあそばれ、
君の仲間と十分に語らい、楽しむと言うわけにはいきません。
それでも最初の1投目で、いきなり私の竿を激しく揺すり君の仲間が会いに来たのです！
とに角、船上までは導いたのはいいのですが、いきなりリールにアクシデント発生。
結局仲間の力を得ながら、船上へと取り込みました。
このように自分のアクシデントの外、更なるアクシデントは、この海で釣り船の沈没事件が発生し、
この日のゲーム終了となりました。
結局私は、5匹の君の仲間をゲットしたのです。

翌日は、雨の中再び会いに出かけたのです。
しかしこの日も、ロッドホルダーの耐量不足、道糸の切断、錘紛失などアクシデントはさらに続くのです。
またこの日は、潮の流れが緩く君の仲間に会えませんでした。そうですよね。前日の大事件の後、
君たち仲間はおおいに驚いたのでしょう。このため、みんなは深い海の下で静かに見守っていたのではないでしょうか。
しかし、いろんなアクシデントはありましたが、私としては、十分鮭との戯れを堪能したのでした。
君たち仲間は川を登り産卵。その子孫が永遠に繁栄することを祈願し、また同行された4名の皆様に、
多分のご迷惑をおかけした事を謝罪しながら釣り寄稿をおわります。